スコッチのカラーバリエーション

  スコッチテリアの毛色は黒色であると認識されている人が大部分だと思いますが、

    毛色に関してスコッチテリアほどバラエティーに富む犬種はいないのです。

    スタンダード(犬種標準書)の毛色には、『ブラックおよびウィートン(小麦色)または

    あらゆる色のブリンドル(混じり毛)』と書いてあります。 

    標準外の色とは、『色の無いこと(白色)、斑点のあること』で、それ以外はどんな色

    でも良いのです。斑点とは、ダルメシアン犬のようなスポットが何か所もあること。

    なお、白アゴヒゲと胸部の少しばかりの白い毛は欠点とみなされません。

      スコッチテリアの本来のオリジナルカラーは、ウィートン(小麦色)ともブリンドル

    とも言われています。この犬種の発祥の地・スコットランドのブラックマウント一帯は

    淡灰色の石灰岩の山が連なっています。猟犬として使われていたスコッチテリアは

    この景色に合った保護色になっていて、獲物が即座にウィートンカラーの”敵”を発見

    することは困難だったと思われ、猟犬であるスコッチテリアにとっては至って有利であ

    ったことでしょう。

     また、黒色は一番歴史が浅い毛色なのです。もしその当時黒色であったならば獲物

    にすぐに見つかり、逃げられてしまいます。ウィートンカラーやブリンドルカラーを母体

    としてその後各種のバリエーションに富んだ毛色が作られていったのです。

    ブリンドルカラーに関しては、色の混じり具合によって毛色の名前が異なります。例えば、

    レッドブリンドル(一見すると黄のある赤茶色)、イエローブリンドル(派手な美しい黄色

    がかった色)、グリズリ(チャコ−ルグレー色)、ライトブリンドル(黒みがちでシルバー色の

    差し毛)、ブラックブリンドル(黒色カラーが赤焼けしたように見える色)、シルバーブリンドル

    (一見して銀色に見える)等です。

     日本では現在、”何故スコッチテリアといえば黒色が多いのか”と言うと、1920年代、

     1960年代にイギリスとアメリカにおいて優秀な黒色スコッチテリアが出現し、世界中の

     愛好者がその仔犬たちを競って自分の国へ持ち帰り繁殖を始めたからです。日本にお

     いてもその黒色のスコッチテリアの子どもや孫が何頭も輸入され黒色全盛期の時代と

     なっていきました。

            

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